中学校のより良い給食を考える③「統計によるごまかし」

かわのの人となり

 前回は、「ランチ給食」という実態を変えないまま、呼び方だけを

ランチ給食 → 完全給食

に代えようとしている行政のおかしさを記事にしました。

「中学校のより良い給食を考える会@大野城」のミーティングでは、他にも

かわの
かわの

 それは「ごまかし」でしょ(>_<)

と感じたことがありました。

アンケート結果「『希望に応じて選べるのでよい』が78%」のわな

議会での答弁

 昨年(2022年)の議会で、中学校の「全員制完全給食」のことが議題になったそうです。

 その際

 「中学生の食事に関するアンケート」のなかで、学校での昼食が「選択制給食」であることについて、「自分の希望に応じて選べるのでよい」という設問では、生徒86%、保護者78%、教職員96%が「そう思う」と回答しています。

という報告があったそうです。

 こんな報告を聞かされたら、多くの議員さんは

 それなら現行通りでいいな。

と感じたことでしょう。

 現に、この「大野城市立中学校における、小学校のような全員制完全給食の実施と中学生の学校における昼食欠食調査の実施に関する請願」は「賛成1、反対16、退席2、(議長1)」で否決されました。

 ちなみにこの報告の文言は、大野城市のホームページの「教育・文化・スポーツ」に掲載されていたものをコピペ(書き写し)しました。

アンケートの実際

 さらにインターネットで検索すると、「第1回大野城市立中学校給食選択制度向上委員会」というページを見つけました。

 そこに、大野城市教育委員会が定期的にとっている「中学生の食事に関するアンケート」の結果が掲載されていました。

 その1つがこれ ↓ です。

 確かに、一番上の設問「希望に応じて選べるのでよい」が78%です。

では問題です。どこにごまかしがあるでしょう?

かわの
かわの

 「議会での答弁」と「アンケートの実際」をじっくり見比べて、ごまかしを見つけてみましょう!

かわの
かわの

 みなさんが考えている間、かわのは優雅に詩でも読もうかな(^^)

かわの
かわの

 谷川俊太郎さんの「生きる」なんかがいいかな(^^)

 

 生きているということ
 今生きているということ
 それはのどがかわくということ
 木もれ陽がまぶしいということ
 ふっと或るメロディを思い出すということ
 くしゃみをすること
 あなたと手をつなぐこと…

「生きる」(谷川俊太郎)より引用
谷川俊太郎さんWikipediaより引用

 この詩、大好きなんです(^^)

 そろそろいいでしょうか?

正解は?

 議会で答弁した方は、いくつも設問がある中の一番上の結果のみを報告しました。

 しかしよく見ると…

4つめの設問「完全給食にしたほうがよい」……

4つめの設問「完全給食にしたほうがよい」について

「そう思う」が66%

 保護者に関して言えば、半数以上の方が「完全給食にしたほうがいい」と思っています。

 これを報告していたら、議員さんたちの結論は違っていたかもしれません。

 (ちなみに、この頃の大野城市は「完全給食」という言葉の定義を変える前だったようです…この文が何を伝えたいのかよくわからない方は、ぜひ前回のブログをお読みください)

かくれた悪を注意深くこばむこと

 さて、ブログ途中で、かわのが谷川俊太郎さんの「生きる」を読んだのは、単なる時間つぶしではありません。

かわの
かわの

 今回の記事に通じる詩だったからなんです。

 ちょっと長く感じるかもしれませんが、一気に読み進められると思いますので、詩「生きる」をぜひ読んでみてくださいm(_ _)m

生きる

谷川 俊太郎

生きているということ
今生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎていくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

自選 谷川俊太郎詩集 (岩波文庫)より引用

 隠された悪を注意深くこばめないと、命を奪われることにつながります。

 大げさだとお思いでしょうか?

 私が36年間勤めた先生という仕事。

 戦前から戦中にかけて、先生方は「お国のために命をすててこい」と教えた歴史を持っています。

 そして、たくさんの教え子が戦争で命を失いました。

 では当時の先生たちは、人とは思えない悪魔のような人たちだったのでしょうか?

 答えは「NO」です。

 子どもたちも先生たちもだまされていたのです。

 隠された悪を注意深くこばめなかった結果なのです。

兄弟ブログ「もへちゃん先生の学級通信」

 「もへちゃん先生の学級通信」というブログは、私が先生時代に書いた学級通信や学年通信を紹介しているブログです。

 谷川俊太郎さんの詩「生きる」についても、学級通信に書いたことがあります。

 興味がある方は、こちら ↓ をクリックしてみてくださいm(_ _)m

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