「全員制完全給食」なんて長ったらしい言葉を使うわけ
前回のブログでは、私自身の「全員制完全給食」を求める原点を書きました。
でも

なんでわざわざ「全員制完全給食」なんて長ったらしい言葉を使うの?
「給食」でいいじゃん。
と感じた方もいらっしゃったかもしれません。
そこで今回は、用語にひそむ罠について触れておきたいと思います。
ミルク給食、弁当給食(ランチ給食)、完全給食
私が先生をしていた36年間をふりかえると、給食の形態は大きく3つに分かれます。
ミルク給食

ミルク給食
- 昼食は、家庭からの弁当やパン販売
- ただし、牛乳だけ全員に配るというパターン
ランチ給食(弁当給食)

ランチ給食(弁当給食)
- 昼食は、家庭からの弁当やパン販売のほか、前もって注文していた弁当(業者製)
- ただし、牛乳は全員に配る
20年ほど前に勤務していた学校ではこの形式を「弁当給食」と呼んでましたが、最近の学校ではちょっとおしゃれに「ランチ給食」と言ってるみたいです(^^)
完全給食

完全給食
- 小学校のように、主食(パンやご飯)、おかず、牛乳を 全員 に配る
現実は「ランチ給食」なのに、「完全給食」という言葉を使いたい行政
2022年11月23日のRKB毎日放送のニュースで「『学校給食』を考える~子供の貧困・スマホ注文ランチ・平等に経済格差なく」という特集が放送されました。

その中で気になる話がありました。
大野城市が設けた給食選択制度の向上委員会では今月、市の担当者が、現在の方式でも「完全給食」の条件を満たしているとの見解を示しました。
大野城市教育委員会 川口司寛係長「『給食内容がパンまたは米飯、ミルクおよびおかずである給食をいう』を満たすものを1食でも提供すれば該当。以上のことから、本市は完全給食の条件を満たしている」
現在もランチ給食を希望する生徒には、完全給食が提供できる態勢は整えているという主張です。
そして近いうちに、「ミルク給食」とされている大野城市の給食を「完全給食」に分類するよう、県の教育委員会に変更を届け出るというのです。
「ミルク給食とされている現在の大野城市の給食」→「ランチ給食」
と呼びたいんなら、私だって何の疑問もありません。
だって、牛乳だけじゃなく、業者のお弁当を注文している子も2~3割程度いるのですから。
しかし、
現行の「ランチ給食」→「完全給食」
と呼び代えることについては、理解しかねます。
RKB毎日放送の記者さんもこれには引っかかったらしく、次のような質問をされました。
RKB三浦良介「今までやっている選択制を、完全給食なんだとすげ替えるように感じたんですけど、どうなんでしょうか?」
大野城市教育委員会 橋元啓樹課長「米飯、パン、牛乳、主菜を提供する形があれば、完全給食ということになるということで確認が取れましたので」
RKB三浦良介「市民団体が求めているものとは違う気がするんですけど?」
大野城市教育委員会 橋元啓樹課長「法律の中では、そういった取り扱いになるのかなということ」

この話を聞いて私は「大型間接税と消費税」のことを思い出しました。
大型間接税と消費税
1986年に「国民が反対し、党員も反対するような大型間接税をやる考えはない。この顔がうそをつく顔に見えますか」と言っておきながら、1988年には「消費税」導入が決定されました。
「消費税」と「大型間接税」は言葉が違うから、問題ないということなのでしょうか?
100歩譲って、政治の世界では通用するとしても、国民感情としては通用しません。
中身が同じなのに、言葉を変えてごまかしているように感じます。
「朝三暮四」なんて四字熟語がまさにぴったり(>_<)
朝三暮四
中国、宋の狙公 (そこう) が、飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ、暮れに四つやると言うと猿が少ないと怒ったため、朝に四つ、暮れに三つやると言うと、たいそう喜んだという「荘子」斉物論などに見える故事から

小学館 大辞泉より引用
「ランチ給食」を「完全給食」と呼びたいのも…
私が

大野城市の中学校を「完全給食」にしてください!
と求めた場合

大野城市の給食は「完全給食」でございます。
と答えたいのではないか…なんて邪推しちゃいます(>_<)
中学校に入学する子を持つ保護者なんかに

大野城市の給食は「完全給食」でございます。
とごまかしたいんじゃないかと…

もしそうなら、市民をバカにしています(`A´)
全員制完全給食
前回のブログを読むとわかってもらえると思いますが、私が大野城市の中学校の給食で求めているのは、「小学校のような給食」なのです。

誰1人「お昼ご飯がない」なんてことがあり得ないために。
だから、
ごまかされないために私は、長ったらしいけど「全員制完全給食」という言葉を使います!
本ブログを読んだ皆さんも、行政が使う「完全給食」という言葉にはご注意くださいm(_ _)m
欲を言えば「自校式」

欲を言わせてもらえば、「自校式」がいいなぁ(^^)
給食センターで市内の学校の子どもたちの給食をつくることを「センター方式」と言います。
一方、それぞれの学校に給食室があって、校内の子どもの給食をつくるのが「自校式」です。

36年間の先生生活で

「自校式」の給食は美味しい!
と知っているからです。
もっと欲を言えば「地産地消」で「オーガニック野菜」に!
もっと欲を言わせてもらうと、県内の食材を使う「地産地消」にこだわってもらえると、地域の農業・漁業・畜産業が元気になることにつながります。
また、子どもの命のためにも化学肥料や農薬などを極力使用しないオーガニック(有機)野菜だけを使ってほしいです。

遺伝子組み換え食品なんて、絶対にNO!です
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