はじめに

全国政策研究集会(大分市コンパルホール)
今年(2024年)の8月、研修で大分市に行ってきました。
大分市は小学校4年生まで住んだ町でしたが、大分駅周辺は見覚えの無い景色が広がっていました。

しかし遠くにデパートの「トキハ」が見え、ちょっとホッとしました。

当時、デパートと言えばトキハ一択で、レストランでお子様ランチを食べたような記憶がうっすらと残っています。
かわので変わろう!No.45「『助けて』と言えるまち」
8月23日~24日、大分市コンパルホールで開催された全国政策研究集会に行ってきました。
NPO法人 抱樸(ほうぼく)
たくさんの学びがありましたが、その中でも特に印象に残ったNPO法人 抱樸 理事長の奥田知志さんによる分科会「孤独、孤立からの脱却」を報告したいと思います。

社会的孤立
①「孤独を感じる」と答えた子どもの割合
2007年にユニセフ(国連児童基金)が調査した報告書では、「自分は孤独を感じている」と答えた子どもの割合は、日本が1位で29.8%。2位のアイスランド(10.3%)の3倍でした。

②「家族以外の人」と交流のない人の割合(国際比較)
下図2005年のOECD(経済協力開発機構)の調査では、「友人、同僚、その他の人との交流が全くない、あるいはほとんどない」と回答した人の割合が15.3%おり、最も高い割合となっています。

別の統計で「相対的困率」は、アメリカと日本は差はほぼありませんでした。
しかし「②『家族以外の人』と交流のない人の割合(国際比較)」の調査では、「友人、同僚、その他の人との交流がない」との回答は
日本は15.3%
アメリカは3.1%
子どもだけが孤立しているのではなく、日本人の大人も、アメリカの5倍、孤立していることがわかりました。

- アメリカ…金はないが、友達はいる
- 日本…金もないが、友達もいない
ってことです。
NPO法人 抱樸の支援…「1人にしない」という支援
講演の中で印象的だったのは、「進化論的には、弱肉強食ではなく弱者共存が勝ち残った」という話です。
- ホームレス
- 貧困で苦しんでいる方
- 不登校
- ひきこもり
- 1人親家庭
- しょうがい者
等々、
苦しんでいる方々に「家族でなんとかしろ」「身内でなんとかしろ」という家族主義ではなく、
抱樸がとりくんでいるように地域の中で支えあう
…そんな「弱者共存」が大野城市全体でできたらいいな
と強く思いました。
クイズ 脳みそ体操
脳みそ体操㉕の答
下図のように道を作ると、お互いにばったりと出会ったりしません。

脳みそ体操㉖
どんな時にも必ず嘘をつく秘密結社「ウソクラブ」のメンバーが、他の2人の容疑者とともに警察に捕まり、取り調べを受けました。
A「………」(取調官はうっかりして、Aの供述を聞き漏らしてしまいました)
B「Aは今『私はウソクラブのメンバーだ』と自白したんです。私ですか?私はむろんメンバーではありません。」
C「いや、Aは『私はウソクラブのメンバーではない』と言ったんです。私ももちろんメンバーではありません」
この3人の中で、確実にウソクラブのメンバーであるのは誰でしょう。
頭の体操1巻(多湖輝著、光文社刊)より引用
おわりに

NPO法人 抱樸(ほうぼく)
NPO法人 抱樸については特定指定暴力団 工藤會の本部事務所跡地を購入した際のニュースで聞いたことがありました。
しかし、具体的にどんな活動をされているのか知りませんでした。
ひとりにしないという支援
今回、奥田さんのお話を伺い、ホームレスの方の支援、不登校の子やネグレクトの子などへの支援をされていることを知りました。
抱樸の支援を一言で表すと「ひとりにしないという支援」です。
しかもその支援が形式的ではなく、とても温かいものであることを感じ、強く惹かれました。
講演当日も夜に炊きだしがあり、「戻る」と言われてました。
この日の炊き出しについては、「以前は40食ほどだったが最近は100食ほど準備している」と話されました。
ホームレスの方だけでなく、貧困に苦しむ方が多くやってこられるそうです。
「希望のまち」建設
ホームレスの方の社会復帰を進めてきた抱樸でしたが、「現実の社会は復帰したい社会か?」と感じ、希望の持てるまちづくりにもとりくむことになったそうです。

工藤會の本部事務所跡地を購入したのは、この「希望のまち」を作るためです。
コメント